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ロワール河流域 (2002)

2002年のロワール地方も2000,2001年に続き、生産者たちにとって大変な年になりました。天候が不安定で暑さと嵐、更には雨が多く寒い年ながら辛口白ワインに関して成功を収めています。

トゥーレーヌ地区の秋は穏やかながらも降水量が100mmを超えるなど雨の多い10月から始まりましたが、2月を除いては同様の天候は観測されていません。春になると涼しく、5月には雨が多かったことから発芽、開花は難しくなりましたが、それとは反対に6月には暑さのピークを迎えます。 夏は暑すぎず集中的な雨が多いシーズンとなりましたが、シノンの赤に関しては9月の穏やかな海風のおかげで成熟を迎えます。

アンジュー・ソミュール地区の秋は降水量が300mmを記録する等、大雨の季節になりました。冬には十分な降水量があり、春も650時間と日照量に恵まれた季節になりましたが、夏にはブドウが病気にかかる等、難しい季節になります。 この2面性のあった季節は白、とりわけ辛口、甘口のシュナン・ブランに利益をもたらしました。サヴニエールは素晴らしく、ソミュール・シャンピニーはエレガントなワインが出来上がっています。

ナント地区の秋は例年通り大西洋からの強い風が吹き付けますが大きな影響は受けていません。日照量が多かったにも関わらず雨は多く、冬も例年よりも早い平均時速100kmの強い風が吹き、日照量と雨の多い季節が続きます。春になると4月に気温の上昇が見られ、5月は大雨の季節に。 6月は例年通りの気温になり開花が観測されます。夏の天候は暑すぎる事も無く穏やかで安定しており、8月も涼しく、雨が増加したおかげでブドウは恩恵を受けます。9月も低い気温と少ない降水量の中、ブドウの成熟は終了し、2002年ヴィンテージのミュスカデは素晴らしい年になりました。

中央フランス地区のブドウ畑も近隣のロワール地方同様、不安定な天候に悩まされます。確かにブドウの栽培環境に関しては6月初めに始まった開花が6月15日には終わる驚異的なスピードだった以外は理想的とも言えます。 この季節の気温の高低差によって起きた花震いや結実不良は区画ごとに異なります。ソーヴィニヨン・ブランのヴェレゾンは8月中旬から8月20日の間に驚異的なスピードで行われました。これは灼熱とも言える季節の影響です。 またこの時期にはウドンコ病、ベト病などの病害が再発した事に注意してください。しかし選果によって残ったソーヴィニヨン・ブランからは香り高く、壮大なワインが生まれました。

オーヴェルニュの2002年ヴィンテージも他のロワール地方同様の天候に見舞われましたが冬は古典的なオーヴェルニュらしい寒く乾燥した季節になりました。

[参照元: www.vin-vigne.com]